棚田とは、平地が少ない土地に生まれた私たちの先祖が農業を行うため、険しい山々を切り開いて稲作を行える環境にした田んぼを指します。ひとつひとつ耕し、土を盛り、そうして増えていった棚田は、千枚田とも呼ばれます。
棚田はきめ細かい手入れを行わないと存続できません。自然のままの山地に幾多にも重なる小さな水田。日本古来の風景を残した棚田は、世代を通して受け継がれてきた生産者の信念の象徴と言えるでしょう。また、棚田のある地域は一般的に山間部に多く見られ、平地での稲作で日常使用している農耕機械を導入出来ないことも珍しくありません。
棚田では山から流れてきた雪解け水や雨水によって栽培されるため、生活排水などが混ざりません。棚田が天水田と呼ばれるのはこのような経緯があるからです。また、山間部特有の昼夜の温度差が、甘味と栄養素をお米に与えてくれるのです。
棚田には農業以外にも役割があります。はるか昔から洪水を防ぐ役割を担っており、今ではあまり見ることの出来なくなった生き物達をも育んでいます。棚田が見せる四季折々の景色は、農業の原点として多くの人々に心の安らぎと潤いを与えてきました。
しかし現在、棚田は存亡の危機に立たされているのです。地方の過疎化や生産者の高齢化、後継者問題など、様々な問題が各地に起きています。米どころ新潟県においても例外ではありません。世界中で環境問題が訴えられている現在、米を主食とする私たちには棚田が担う役割について考え直す必要があるでしょう。